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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第五章 「これで解決ですか?」 3

ご無沙汰しておりました。取り敢えず「幼馴染は婚約者~写真部怪奇事件~の続きを少しばかり載せます。
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第五章 「これで解決ですか?」 3



 午前六時、既に明るくなっている空は、雲一つない晴天から気持ちの良い光を注がせていた。
 机でうつ伏せに蹲るように眠っていた圭介は、カーテンから漏れる明かりで目を覚ました。目を擦りながら躰を起こすと、大きく伸びをしてベッドで眠っている美穂に目を向ける。今は気持ちよく眠っているようだ。深夜の状態とは打って変わって安らかな寝息をたてている。若い女性の寝顔を見るものどうかと思い視線を放したとき、部屋のドアがノックと共に開いた。
「やっぱり、早川先輩ここにいたんだ! 目が覚めた時部屋にいなかったからひょっとしたらと思ったけど……。どうして圭ちゃんのベッドで寝てるの?」
 一瞬躰を仰け反らせて、驚いたような顔をしていたが、
「おはよう、真理恵! そう目くじら立てないでこれから説明するから」
 落ち着いた圭介の対応に、
「お、おはよう」
 バツが悪そうに返事を返した。ゆっくりと圭介の方に近寄ると、圭介は椅子方立ち上がり真理恵に席を譲る。真理恵が座ると、その正面に立ち昨夜の出来事を話し始めた。美穂が圭介のベッドに寄り添うように入ってきたことは省き、少しばかり改ざんした内容で話す。
十五年前の美術室の事故に酷似した夢を見たこと、その時落下した女性が自分だったこと、その無残な姿を別の自分が見ていたということ、そして全身が震えていて意識が呆然としていたことなどを掻い摘んで話した。
「だから取り敢えずここに横になってもらっているというわけ。別に早川君と何があったというわけではないから心配しなくてもいいよ」
 そう話を締め括ったが、真理恵にとっては納得できる話ではなかった。圭介を信じていないわけではないが、美穂の行動に警戒の念が沸き起こってしまう。
 早くこの事件を解決して、圭介と美穂の距離を遠ざけなければと思っていた。今日がゴールデンウィーク最後の休みだ、出来ることなら今日中に何とかしたいと思う真理恵だった。


 

 


第五章 「これで解決ですか?」 3  完
「これで解決ですか?」4に続く





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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」 






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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第五章 「これで解決ですか?」 2

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第五章 「これで解決ですか?」 2


 その日の深夜二時を過ぎたころ、まさに丑三つ時の時間に美穂は隣ですやすやと眠っている真理恵を横目にそっと布団から出ると、抜き足差し足で部屋を出て隣の圭介の部屋に静かに入っていった。

 ベッドでぐっすり眠っている圭介に近づくと、しばらくその寝顔を見ていたが、ゆっくりとした動作で圭介の布団に入り寄り添うように横になると、余程落ち着くのだろう。あっという間に小さな寝息を立てた。

 しかしその眠りも長くは続かなかった。

 美穂は美術室に作られた仮のステージの上でポーズをとっていた。髪を掻き上げたり、腕を組んだり、その場に座って誰かを挑発するようなポーズで数台のカメラの被写体になっている。その姿を別の場所から見ている自分がいた。幽体離脱したかのように自らの目で自分を見る、何とも奇妙な感覚に囚われる。

(これは夢だ!)

 感覚的にそう感じた。そう思うと心なしか高揚した気持ちでそれを見ることができ、撮影を楽しんでいる自分の姿を客観的に静観することが出来た。しばらくその夢を楽しむように見ていたが、

(!)

 画面が急に歪んできた。水面に映った景色を何かで撹拌したように崩れていく。錯綜された画面がしばらくの間続いたが、それが落ち着いてくると、そこには先程とは違う画面が映し出された。

 二人の男が掴み合いの喧嘩をしていた。学生服を着ているので高校生辺りだろうか。その後ろに一人の女生徒、登場人物は三人だけだ。喧嘩をしている男は二人共知らない顔だったが、もう一人の女性徒の顔をみてハッとした。その女生徒は自分そっくりに見える。いや正に自分自身だった。

 喧嘩はエスカレートしていき、かなり激しい状態になっていて、近くにいる女生徒もどうすることもできず怯えたような表情で立ち竦みその状況を見ることしかできずにいる。

二人の男子生徒は掴み合ったまま、あちらこちらと移動していたが、勢い余り立ち竦んでいた女生徒に衝突した。女性の身体が突き飛ばされるような状態になり“ふわっ”と浮き上がると、開いていた後ろの窓から身が投げだされるような恰好になった。

 一瞬の出来事だった。掴み合いをしていた男子生徒達も、息をのみその場に硬直する。その出来事に頭も冷静になったのか、お互い腕をゆっくりと解き窓に近づくと下を覗き込んだ。青々と茂った中庭の芝生に上にうつ伏せに倒れこんでいる女生徒の姿が小さく見える。その場で客観的に見ていた美穂も、男子生徒と同じ視線でそれを見ていた。倒れ込んで身動きしない女生徒はやはり美穂自身の姿にしか見えなかった。

「!」

 美穂は大きく息を吸いこみながら目を覚ました。夢だと感覚的には解っているものの、やはり自分が危険に遭遇している様子を見るのは気持ちの良いものではない。しばらく息を吐くことを忘れ大きく目を見開いていた。身体が呼吸という行為を思い出したのか今度は大きく息を吐く。今度は人間としての本能がそうさせるのか立て続けに大きく深呼吸をさせ気持ちを落ち着かせようとしていた。

 数分間はそうしていただろうか? 呼吸が落ち着くとゆっくりと躰を起こし横で眠っているはずの圭介に視線を移したがそこに圭介のる姿はなかった。

 急に部屋の明かりがついた。手に麦茶か何かを持っている圭介が部屋の扉の前に立っていた。

「大丈夫?」

 ゆっくりとこちらに近づいてくる。

「びっくりしたよ。朝方目が覚めたら早川君が隣にいて苦しそうに魘されているし、譫言のように“あれは私、あれは私 と言っているし」

 そう言いながら手に持ったコップを美穂に差し出した。

「取り敢えずこれを飲んで。落ち着くから」

 美穂はそのコップを受け取り、半分程一気に飲み干した。気持ちが落ち着いてくる。

「また何か怖いことでもあった?」

 美穂は直ぐに答えることが出来ず、長く息を吐き出して首を横に振った。

「夢を見たの、たぶん三村さんが美術室から落ちた時の状況みたいな感じの、でも落ちて倒れていたのは三村さんではなくて私で、それを別私が見ていて……」

 美穂は自分を抱きしめるようにして少し震えていた。余程生々しい夢だったのだろう。しかし圭介は何もできないままその場に立ち尽くすしかなかったが、

「もう大丈夫だから、僕がここにいてあげるからもう少し横になって休んでいれば落ち着いてくるよ」

 そう言って美穂の肩に手を掛けゆっくりとベッドに寝かせると、布団を掛け、自分は机の椅子に腰を掛けた。しばらくしてベッドから小さな寝息が聞こえてきたので、部屋の電気を消し代わりにデスクライトを灯した。

 


 

 


第五章 「これで解決ですか?」 2 完





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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」 

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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第五章 「これで解決ですか?」 1

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 第二章 「怪現象が起こりました」         

 第三章 「少し近づき過ぎていませんか」

第四章 「昔に何がありましたか」   




第五章 「これで解決ですか?」 1

 

 

 その日の夜、圭介の部屋で圭介はベッドに腰を掛け、真理恵は机の椅子に座って、くつろぎながら今日起こった出来事を話していた。

 今やっと落ち着いてゆっくりとしているがこれまでの経緯が大変だった。美穂を自宅に送り届けたものの、圭介達が帰ろうとすると、帰らないでほしい、泊まってもらえないかと、聞き分けのない子供のように懇願し手に負えない状態だったのだ。

 あんな経験をした後で自宅に一人で夜を過ごすというのは決して心地の良いものではないだろう。まして早朝と午後、一日で二回も怖い目に合っているのだ、誰かと一緒に居たいと思うのは当然のことかもしれない。何とか美穂をなだめ今に至っている。

 二人は今日の出来事を対峙して、なぜこんなことが起こっているのか? どうして美穂なのか? あの女性は本当に美由紀なのか? を分かっている限りの情報で検討していた。

「圭ちゃん、もしかして何か分かった?」

 椅子に腰かけ机に頬杖をついていた真理恵が、考え込んでいた圭介の目が現実に帰ってきたのを見て今までの話を総括するように言った。

「大筋の謎は解けたと思う。後は明日……」

 そこまで言った時“ガチャ”と部屋の扉が開いた。そこからラフな格好をした美穂が現れる。

「先にお風呂ありがとう」

 濡れた髪をタオルで拭きながら、という何とも艶めかしい仕草で部屋に入ると、ベッドに座っている圭介の横に当然のように腰を掛けた。結局一人にするわけにもいかず圭介の家に連れてきたのだ。

しかし今度は真理恵の方が問題だった。高校生が異性の家に宿泊するのはおかしいと、猛烈に反対した。一部の人しか知らないとはいえ二人は婚約者だ、そんなことが許されていいはずがない。私の家に泊まればという真理恵の意見を美穂が受け入れず、結局真理恵も一緒に泊まるという条件で何とか事を収めた。

圭介は両親に事情を説明し。信用のある圭介に両親は真理恵も一緒だったらということで承諾してくれた。

 それにしても美穂はラフな格好をしている。首元が大きく開いて少し前かがみになると胸の谷間がはっきりと見えるようなTシャツに短パン、どう見ても圭介を挑発しているような格好にしか見えない。今日の恐怖体験は本当だったのかと疑わざるを得ない。

 それに何気なくサラッと圭介の横に座った事にも腹立たしさを感じた。当の圭介は何事もないような態度と表情で美穂に接している

「ところで私は今日どこで寝るの?」

 美穂が艶めかしい表情で、圭介に身を寄り添わすように言った。

(近い、近い!)

 真理恵は気が気ではない。

「隣の部屋が空いているから、今日はそこで早川君と長谷川君は休むといいよ。ベッドはないから布団を敷いて休んで」

 表情一つ変えずに圭介が答えると、

「え―っ!私ベッドじゃないと眠れないの」

 何とも我儘で、下心見え見えの態度に、真理恵の堪忍袋が張り裂けそうになるが、両手をぎゅっと握り締め何とか耐える。しかしどうしたらこんなに積極的になれるのだろう? 苛立ち半分、尊敬半分の不思議な感覚に囚われる。そんな真理恵の葛藤をよそに、

「この部屋は一人しか寝ることが出来ないから、一人でも大丈夫ならこのベッドを使っていいけど」

 淡々と答える。

「それはそれで何だか怖いから、このベッドで一緒に…………」

 それ以上は言わせまいと、次の言葉を遮るように、

「それは問題でしょ! まだ高校生だし、やっぱり節操は守らないと!」

 真理恵の突然の横槍にびっくりしたように身を仰け反らせると、子供を見るような目で真理恵を凝視し、体裁を整えると、

「前にも言ったでしょ! まだじゃなくてもう高校生なの」

 そう言いながら圭介の方に顔を向け、同意を求めるように、

「中山君はどう思う?」

「どうと言われても……。やはりその辺りは旧い常識かもしれないけど、一応一線は引いといた方がいいと思うから、君たちは隣の部屋で休んでよ。何かあったら直ぐに起こしてくれればいいから」

 圭介からそう言われ美穂はしぶしぶ納得した。その前で真理恵は大きく安堵の息を吐いていた。

 


第五章 「これで解決ですか?」 1 完





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第四章 「昔に何がありましたか」 3

  時を同じくして、その時の圭介は、もう一人の山本宅の前で立ち止まっていた。何度も地図と目の前の家を見返す。その家は数回訪れたことのある家だった。自宅兼店舗として建てられており、店舗の看板には『山本写真館』と書かれている。正にそこは写真部に所属している山本早苗の自宅だった。

 山本早苗から年の離れた兄がいるということを聞いたことはない。従兄か何かだろうか? 取り敢えず話を聞いてみようと店舗のドアに手を掛けた時、ポケットのスマホが小さく振動した。圭介は一旦引き返し少し離れた場所に移動すると電話を受ける。

『もしもし圭ちゃん、早川先輩が大変なの! 何だか急に錯乱状態になっちゃって、今は少し落ち着いたみたいだけどどうすればいいの?』

 一気にまくしたてるように話す真理恵に、

「分かった、落ち着いて、今どこにいる?」

「もう少しで図書館に着くところ、少し手前の自動販売機が並んでいるところの近く」

「わかった、直ぐ行く」

 圭介はその場から引き返し県立図書館の方に向かって走り始めた

 走りながら圭介は考えた。もう一人の山本が山本早苗の関係者であり、十五年前とはいえ早苗が事故の事を知らないはずはない。知っていて言わなかったのか?それとも本当に聞かされていなかったのか?奇しくも嫌なことは思い出したくないだろうし、話したくもないだろう。忘れてしまいたいというが人の心情というものだ。

 そんなことを考えながら真理恵と美穂のいる場所まであと少しというところまで来たところで、圭介は徐に立ち止まった。その場に立ち尽くし視点が現実世界を見ていない表情になる。脳がフル回転しているようだ。

(そうか! 早川君との接点は何もなかったんだ。接点があるのは山本君で三村さんは山本君に何かを訴えようとしていたんだ。)

 圭介はスマホと取り出し、先程訪ねた三村宅に電話をした。

「もしもし、先程お伺いした中山ですけど、少し探して頂きたいものが有るのですが……」

 圭介は要件を足早に告げると、電話を切ると再び真理恵達の居る場所に向かって走り始めた。

 しばらく行くと、真理恵に支えながらようやく立っている美穂が見えた。圭介が近づくと、美穂が顔を上げる。顔色もよくなっていて既に平常心を取り戻しているように見えた。

 圭介が二人の前まで来ると、美穂が少しふらつくような足取りで、真理恵から離れ圭介に抱きつくように躰を預けた。圭介がそれを受け止める。

 その姿を見ていた真理恵は、膨れっ面をしながらも、今回は仕方がないと自分に言い聞かせていた。

 


第四章「昔に何がありましたか」 3 完



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第四章 「昔に何がありましたか」 2

 数分前の美穂と真理恵は圭介と別れたのち肩を並べて歩いていた。

「ねえ、長谷川さんと中山君はどういう関係?」

 美穂は以前から聞きたいと思っていたことを尋ねた。

「えっ! ……別に学校の先輩と後輩というだけですが」

 「そんなわけないでしょう。今年入学してきてまだ一か月ちょっとで、ここまで一緒にいるのは変でしょう。ひょっとして中山君のことが好きなの? 一目惚れってやつ?」

 少しきつい言い方かなと思いながら言うと、

 「いえ、実は私と中山先輩は幼馴染なんです。昔からよく一緒にいたんでその流れでというか……」

 歯切れの悪い言葉が返ってくる。

「そうなの! あなたと中山君幼馴染なんだ。じゃあ中山君の事よく知っているわね。彼の事教えてくれない」

 美穂はその場で立ち止まり、体ごと真理恵の方に向きを変えた。

「どうしてですか?」

 何となく不安そうな返事だ。ひょっとしてこの二人には何か秘密でもあるのだろうか。

「あなたにこんなことを言ってもしかたがないし、自分でも今一つ判らないけど、私中山君のことがひょっとして好きなのかなって思う時があるの。今まで色々な男の人に会ってきたけど中山君みたいな人は初めて」

 真理恵の表情が曇った。心の中で何かと戦っているようなそんな表情をしている。

「そうなんですか? 中山先輩は……」

 その時、目の前の景色が“すーっ”と変わっていった。先程まで晴れていた空が、どんよりと曇っている。気が付くと面の前にあの女性が立っていた。昨夜と同じ腰ほどもあるだろう長い髪に虚ろな瞳のない目、前髪が無造作に垂れている。

 自分の顔が強張ってきているのが判る。躰が思うように動かない。目の前の女性はただ目の前に立っているだけで何をするわけでもなく、じっと美穂を見ているというか、見ているように見える。彼女には瞳がないのだ。

「ど・し・・ですか?」

周りで何か声が聞こえるのだか何を言っているのか解らない。

呼吸が苦しくなってきた。

「は・か・・ぱい! ……はや・わ・・・い!」

 何かが聞こえる。誰かが何か言っているようだ、しかしどうしても内容を聞き取ることが出来ない。その時目の前のいる女性が口を開いた。

『一緒に行こう。私と一緒に行こうよ』

 脳内に響くように聞こえた。

「近くに来ないで! あなたどうして私の前に現れるの?」

『一緒に行こう。私と一緒に行こうよ』

同じ言葉が繰り返される。頭に響く声の大きさが増しているように感じられた。

「私があなたに何をしたというの?」

 手を前に突き出しその女性を遮るようにして叫んだ。

「は・かわ・せ『一緒に行こう。私と一緒に行こうよ』だい・・う・です・・」

「何・言って・・・? 『一緒に行こう。私のいる世界へ』 ・・私・?」

 目の前にいる女性を振り払うように腕を大きく振り払うが何の手応えもない。そればかりか少しずつ近付いて来ているようだ。これ程までの恐怖を今まで感じたことがない。頭がおかしくなりそうで、気が狂いそうだった。自己防衛のためか意識が遠のいていくのを感じてその場に座り込んだ。

「早川先輩、大丈夫ですか?」

 聞いたことのある声に落ちかけていた意識が戻り始めるのを感じた。大きく深呼吸をして呼吸を取り戻す。少しずつだが落ち着きが返ってくるのを感じた。

 隣で真理恵がスマホを手に取りどこかに電話している。

「もしもし圭ちゃん、今早川先輩が……」

(圭ちゃん? 誰に電話しているの? 私どうしたのだろう?)

 美穂はまだボーとしている頭で現状把握しようと努力していた。

 


第四章「昔に何がありましたか」 2 完



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