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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第二章 「怪現象が起こりました」 3

第二章「怪現象が起こりました」  3



 翌朝、八時に起床した圭介は、昨夜確認した画像を整理して奇妙なものが写っていると思われるものをL版サイズの写真用紙に印刷していた。写真は全部で四枚、見落としもあったかもしれないが、それなりにはっきりと写っているものを選択して全景のものと、怪しい部分のアップを各々二枚ずつ印刷する。

 最後の一枚をプリンターが排出し終わった時、机脇に置いてあった携帯電話が着信を告げるメロディを発した。昨夜連絡先を交換したばかりの美穂からだった。

「はい、中山です」

『早川です』

 いつも冷静な物腰で話をすり美穂の声が少なからず上ずっているように感じた。

「おはよう!どうしたの、こんなに朝早くから?」

『中山君に相談したいことがあって』

「相談?」

『昨日の夜というか今朝方早くに変なことが起こったの。昨日の事もあるから何だか気になって』

「変なことって?」

 美穂はほんの数時間程前に起こった出来事を話始めた。目覚まし時計があり得ない体勢なっていて、一度は寝ぼけていたのだろうと思っていたが、先程目を覚ましたらまた同じ状態になっていたことや、最初に起こったと思われる時間、四時五十五分で時計が止まっていたこと。時計は止まっているのに朝の八時に目覚まし時計がセットした時間通りに鳴ったことなど掻い摘んで説明した。

『あと、ベッドの横に長い髪の毛が数本落ちているのを見つけたけど、私の髪あんなに長くないし家族にもいないはずだから何だか気持ちが悪くなってきちゃって』

 話を聞い終えた圭介は、

「ん~。よく解らないな。今から早川君の家に行ってもいいかい? 現場と状況を確認して起きたんだけど」

 普通、高校生が異性の家に行くということに多少の抵抗がある。ましてや親しくなって間もない間柄だとなおさらだと思うのだが、いまの圭介にはそんなことよりも起こった事象の方に興味がいっているようだ。

『えっ! い、いいけど私の家知ってるの?』

「いや、知らない。昨日別れたところまで行ったらまた連絡するよ」

 今までの経験上自宅の住所を教えるのに抵抗があったが、事情が事情だし気になり始めた人物ということもあり教えることにした。

「一応住所言っとくね。連絡貰ったらすぐに迎えに出るから」

 そういって、住所を教えると電話を切った。












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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第二章 「怪現象が起こりました」 2

第二章「怪現象が起こりました」  2


 翌朝、美穂は早くに目が覚めた。昨夜は中々寝付けず遅かったのだが、短時間で熟睡していたのだろうまだ少しボーッとしているがベッドから起き上がる。そして現在の時間を確認しようとナイトテーブルの上にある目覚まし時計に目を向けた。

「!」

 不思議な感覚にとらわれた。

『十時五十五分?』

 美穂は体を起こしもう一度時計を確認する。よく見ると時計が天地逆さまになっている。時計を手に取り正位置に戻し時間を確認した。『四時二十五分』まだ少し早いからもう少し横になっておこうと思ったが、

「ん?」

 奇妙な異変に気が付いたようだ。手に持った時計の形をよく見ると、それは半円で安定性は抜群な形をしている。円の頂点にはアラームの停止ボタンもあるのだ。綺麗に逆さまになるということは基本的にはあり得ない。誰かが支えるか、何かに吊るすか、あるいは左右バランスよく支えるようなものがなければ無理な態勢だ。時計の周りにはそういった仕掛けのようなものは見当たらない。

 不思議に思いながらも、寝ぼけていたと自分に言い聞かせもう一度ベッドに身を潜らせた。

 美穂が再び眠りにつくと、先程正位置に置いたはずの目覚まし時計が、カタカタと小さく振動し始め、見えない何らかの力が加わったかのようにゆっくりと横向きに回転し始め再び逆位置に絶妙なバランスで倒立した。

 









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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第二章 「怪現象が起こりました」 1

第二章「怪現象が起こりました」  1


 

 その頃美穂は写真のことが気になってか中々寝付けずにいた。ベッドの上で何度も寝返りを打ちながら何とかして眠ろうとしているのだが、あの画像が頭から離れないのだ。別のことを考える努力を脳内で格闘していると、不意に中山圭介の姿が脳裏に浮かんだ。

 色々な人達からアプローチを受けたが、中山圭介のような人物は初めてだった。大体美穂の容姿から入り一緒に連れて歩くことで優越感に浸りたいだけの人が多く、中身の無い飾り人形のような扱いで決して美穂の内面を見ようとする人はいなかった。中山圭介も今回の撮影会の勧誘の際、どうせ外観だけの判断だと思い断り続けていたが、

「早川君を選んだ理由? そうだな……プライベートなことはよく知らないけど、校内で見る限り何となく意固地に無理をしているような感じがあるんで、もう少し肩の力を抜いて自分を出したらもっと楽になるのにと思って、その鎧のとれた早川君を写せたらいいと思ったからかな」

 そう言って屈託のない笑顔を向けた圭介に初めて自分からドキドキを感じたのだ。

この学校で中山圭介という名前を知らない者はいないだろう。常に全国トップで十七歳にして世界に通用するといわれている。校内の定期テストで圭介に合わせた問題を作ったせいで、平均点が一桁ということもあったくらいだ。他校からも中山圭介というのはどんな人物なのだろうと偵察に来る人もいる。見た目は普通でガリ勉タイプというわけではなく、他の生徒とも気兼ねなく接し、奢ることもなく一生徒として学校に溶け込んでいるどこにでもいるような人物である。

 悪夢のような画像から、圭介の話題に頭が切り替わると、気持ちに落ち着きが出てきたのか少しずつ睡魔が襲ってきた。

“ゴロン、ゴロン”

 何かが転がるような音がする。やっと眠りに付けそうだった美穂はその音に反応するようにゆっくりと目を開けて頭を横に向けた。ベッド横にあるナイトテーブルの上に置いてあった目覚まし時計が左右に揺れている。眠り初めでボーっとしているのか、直ぐには何が起こったのか理解できていなかった。視線の先には時計が倒れそうで倒れない達磨のような動きをしている。しかし睡魔には勝てずそのまま眠りの途に入っていった。


 









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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第一章 「撮影会を始めます」 4

第一章 「撮影会を始めます」 4



 圭介は食事と入浴を済ませ自分の部屋に入った。壁の空いている部分には天井まである本棚が立ち並び、その中には色々なジャンルの書籍が所狭しと並んでいる。あとはベッドと机があるだけで青春を謳歌しているであろう高校生の部屋とは思えないほどシンプルだ。

 圭介は机の上に先程部室で使ったノートパソコンを置くと、折り畳みを開き電源スイッチを押す。しばらく机の上を片付けていたが、パソコンが立ち上がると椅子に座り、今日撮った画像のデータを続きから閲覧し始めた。残り百枚程あるデータを睡魔と闘いながらも慎重に見ていく。半分ほど見終わったところで休憩を取った。椅子の背もたれで仰け反るように背を伸ばすと、

「真理恵、機嫌直ったかな?」

 独り言をボソッと呟いた。学校では君付けだが、プライベートでは名前で呼んでいる。小さい頃からの付き合いなので、当たり前といえばそうなのだが、学校ではそれなりに気を使って接しているのだ。

 圭介は椅子から立ち上がり、大きく伸びをすると再び椅子に座り続きの作業に入った。

「ん!」

 圭介の手が止まった。気になる部分を拡大してみる。そこには髪の長い女性が横を向いているようにも見える。

 その写真にチェックマークを入れて次の画像に写った。全ての画像データを見終わった時には午前一時を回っていた。

    

 







第一章 「撮影会を始めます」   完

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 取り敢えず第一章が終わりました。第二章ですが「怪現象が起こりました」というサブタイトルで次回から掲載していきます。是非続きもお読み下さい。










 
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