幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第三章 「少し近づき過ぎていませんか」 4

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第三章 「少し近づき過ぎていませんか」 4



 午前十時、圭介と真理恵は美穂の家にいた。真理恵が一緒にいることに怪訝さを感じたが今はそんなことを深く考えている時ではなかった。昨夜の出来事を説明するのに、記憶をたどりながら詳細に説明することに意識の大半を使っていたからだ。

 リビングのソファーに九十度の角度で隣り合って座り、上手に相槌を打ちながら話を聞いていた圭介は、話が終わると、

「それは写真の女性に間違いなかった?」

「間違いないと思う」

「そうかあの写真の女性は早川君に何かを訴えるために現れたのかもしれないな」

「でも、どうして私なの?」

 美穂の疑問も最もだ。美穂自身何も思い当たることがないのだから。

「それは分からない。早川君とその女性と過去に何か関係があるのか、それとも共通点があるのか、単に波長が合っただけなのか」

 圭介が腕を組みながら考え込んでいると、並んで座っていた真理恵が、

「さっき遠藤先生から聞いた三村美由紀さんとは関係がないのかな?」

「そうだな、それが現状での唯一の手掛かりだな。その三村さんのお宅に行ってみるか。何か分かるかもしれないし、早く何とかしないと早川君に何かが起こってからでは遅いからな」

「私も一緒に行ってもいい?」

 美穂が伺いを立てるように言った。圭介は小さく頷く。

「それと……」

 少しもじもじしながら上目使いで圭介に視線を送る。強烈な目力に隣にいた真理恵でさえドキリとした。世の男共ならイチコロだろう

「今日もお父さんとお母さんいないの。私一人で心細いからよかったら泊まってくれないかな……」

 その不適な言葉に反応したのは真理恵だった。

「そ、それはまずいでしょ!」

 圭介を庇うように身を乗り出し、狼狽えたような口振りで言った。真理恵としては絶対にあってはならないことだ。

「長谷川さんがどうしてそんなに慌てたように言うの?」

 真理恵の行動に疑問を覚えたのか、懐疑的な表情で真理恵に言った。

「だって、まだ高校生でしょ! どう考えても一つ屋根の下で一夜を過ごすというのはまずいでしょ」

 不敵な笑みを浮かべ美穂が反論する。

「逆にいうと、もう高校生でしょ。色々なことがあってもおかしくない年齢だと思うわ!あなたはまだ子供だから分からないかもしれないけど」

 美穂の意味深な言葉と、真理恵に対する挑発的な言葉、圭介に向ける眼差しに憤慨と危機感を覚えた真理恵は、

「じゃあ、私も泊まる。それなら間違いも起こらないだろうし体裁的にも大きな問題にならないと思うから」

 真理恵の些細な抵抗に、さらに反論しようと美穂が身を乗り出そうとしたとき、

「それなら、写真部のみんなも呼んで、今回の出来事の対策を夜通し討論しようか」

 圭介の提案に美穂は乗り出そうとした身をソファーに落ち着かせると、不満げな表情で圭介の方を見る。逆に真理恵は圭介の横で安堵の表情をしていた。

 



 


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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」    第一章 「撮影会を始めます」

                           
第二章 「怪現象が起こりました」


                         第三章 「少し近づき過ぎていませんか」


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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第三章 「少し近づき過ぎていませんか」 3

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第三章 「少し近づき過ぎていませんか」 3



 学校からの帰り道二人は居心地の悪そうな雰囲気の中肩を並べて歩いていた。あれから色々と話を聞いたが重苦しい内容の話しか聞くことができず二人とも気分的に参ってしまったようだ。

その雰囲気を打破するように真理恵が重い口を開いた。

「何かつらい話だったよね。特に三村さんなんか今も寝たきりなんでしょ。救われないよね」

「そうだな」

 圭介が続きを話そうとしたときポケットの中の電話が鳴った。電話を取り出し、

「はい、中山です」

 しばらく相手からの言葉を聞き、うん、うんと相槌を打っていたが、

「わかった、今からそっちに行く」

 そう言って電話を切ると、

「また早川君に怪現象が起こったらしい。今から行くけど真理恵も一緒に来るかい」

 真理恵は小さく頷き、二人は歩く速度を速め先を急いだ。

 

 

 美穂は一階のリビングで自分を抱きしめりように両手を肩に回し小さくなしながらソファーに座っていた。両親は昨日から親戚の家に出かけている。今誰もいない閑散とした部屋の中で心細い時間を過ごしていた。

 昨夜は背筋が凍るような体験をし、気を失った美穂は、部屋のドア下で気を失っていた状態のまま朝六時頃意識を取り戻した。そのまま部屋にいることもできず、直ぐにリビングに下りて照明を点けた。外は既に明るくなっていたが、少しの暗さもその時の美穂には耐え難いものだったようだ。

 直ぐに圭介に連絡しようと思ったが、こんなに早くから電話をするものどうかと考え直し、取り敢えずテレビを点ける。画面に映るいつもの見慣れたキャスターの顔を見ると少し落ち着いてきた。

 しばらくボーっとしながら見ていたが、気分が良くなってきたのでキッチンに向かいコーヒーを入れた。再びソファーに座ると温かいコーヒーを一口啜る。体内に流れ込むカフェインが美穂の頭をすっきりさせた。少し冷静さを取り戻したことを確認認識すると株掛け時計の方を見る。午前七時一時間近くボーっとしていたようだ。

 テレビは芸能界のどうでもいいような出来事を淡々と放送している。美穂はスマートフォンが二階の自分の部屋にあるのを思い出し、余り行きたくなかったが意を決して取りに行く事にした。階段を上がり自分の部屋の前まで来ると、一呼吸おいてゆっくりとドアを開ける。いつもの景色が目に入り、何も変わり映えがしない部屋に安堵しながら中に入った。机の上に置いてあったスマートフォンを手に取ると、机の下の落ちている一枚の紙に目が止まった。昨日圭介から貰った魔除けだ。昨夜はこれのおかげで助かったのだと思いそれを拾った。そのまま部屋を出てリビングに下りる。

 ソファーに座りもう一度時計を確認したが、まだ時間的に圭介に連絡とするのは早いようだ。テレビに視線を戻し、そのままソファーに横になる。体が気怠さを訴えるように脳に指令を送っている。数分その姿勢でテレビを見ていたが、気を取り直し起き上がると頭と躰をすっきりさせるためにシャワーを浴びることにした。

 衣服を脱ぎバスルームに入ると少し熱めのお湯に設定し頭からそれを被った。躰を流れる熱いお湯に身を任せるとすっきりとしてくる。その間に湯船にお湯を溜めた。

 たっぷり二時間近くお風呂に入っていたようだ。髪を乾かし服を着た時には既に九時を少し回っていた。ソファーのローテーブルの上に置いてあったスマートフォンを手に取ると圭介に連絡を入れた

 


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