スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
(この一行は、各記事の最後に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)

「嗤う鬼火」 1

お薦め文庫バナー2 
   最近読んだ本で、個人的に面白いと思ったものを紹介しています。 


嗤う鬼火バナー 

 

第一章 「出会い」

 

 

 今私は華の女子高生。入学してから約三ヶ月経って漸く学校生活にも慣れてきた。中学時代からの友達が四、五人いるから今はその友達と一緒にいることが多い。

 あっ!自己紹介忘れてた。私の名前は倉橋志緒理、先も言ったけど華の女子高生十六才。受験を頑張って地方の片田舎だけどこの地域では有名な進学校に入学した。将来の夢は・・・まだ決まっていない。勉強について行けているかどうかは別にして、結構楽しい学校生活を送っている。有名な進学校だけあって、それほど問題のある生徒はいないし、先生達も大学進学一辺倒の考え方ではなく、色々な意味で視野を広く持ってくれている。そして何よりも充実した学校生活を送っている理由。・・・それは気になる男の子がいること。

 思春期の乙女にとって恋愛は、生きていく上で絶対不可欠なもの、まさに血液と同じなのだ。

 その男の子の名前は倉橋巧巳。名字は同じだけど全く赤の他人。無口で無愛想なんだけど時折見せる優しい瞳。何も見ていないようで周りをよく把握していてさり気なく手を差し伸べみんなを助けてくれる。女の子の間ではそれなりに人気があるみたい。

私が彼を意識し始めたのは、それこそ入学して直ぐ。入学式が終わり、割り当てられた教室に移動していたとき。彼も同じクラスで私の後ろを歩いていたの。周りでは、近くにいる人と話をして少しでも早く馴染もうと努力している人が多い中、彼だけは無表情で他人のことは我関せず的なオーラで歩いていて、第一印象は何か暗そうな人ってイメージ。その彼が突然私の横に並び、視線も合わさず、

「スカートの横のファスナー開いてるよ」

 そう言いながら抜き去っていった。

「えっ!」

 私はスカートを確認。な、なんとスカートのサイドファスナーが全開、辛うじて下着は見えていなかったけどブラウスの裾がチラチラ・・・何たる醜態

 少し慌てたけど何事もなかったかのようにさり気なくファスナーを閉めた。入学式の間中開いていたと思うともう赤面。穴があったらの中でも入りたい。

 気付いていた人もいるはずなのに、もっと速く教えて欲しかった。それでもさり気なく声を掛けてくれた倉橋君に感謝。

 そんな些細なことだけど、それから何かと倉橋君を目で追いようになり少しずつ意識し始めた。まあ名字が同じなので周りから、

「親戚か何か?」

 と、聞かれることが多かったのも一つの理由かな。倉橋という名字はこの地域では珍しいものらしい。だからと言って彼のことがまだ気になっているだけで好きって言う訳じゃない。(実際彼のことよく知らないし)

 という感じでそれなりに楽しく過ごしてる。

 そうそう話は変わるけど、最近この町に変な噂が流れてるの。私の知っている範囲で説明すると、この学校から三キロ程離れたところに通称人恋坂っていうところがあって、世間で言う心臓破りと言われそうな程急な坂で自転車だと普通の一般人は到底乗って上ることは出来ないと思う。(あくまで普通の一般人ね。普通じゃない一般人もタマにいるから)

 人恋坂って言う名前の由来についても色々あって、この坂で亡くなった男性の彼女が同じ場所で後追い自殺をしたからと言うものや、この坂をカップルで歩くと相思相愛になるとか、かなり適当で曖昧な由来は聞いたことがあるけど本当のところはどうなんだろう?名前を付けるに当たって何らかの経緯があるとは思うのだけれど・・・。

 その人恋坂は急な坂道ということもあって昔から事故も多く、もう何人も天使になっている人がいるみたい。

 昔から何かと曰くのある場所だけど数年前から夏になると思い出したように湧き出てくる話。

『嗤う鬼火』って言うんだけど、坂を登り切ったところに小さな墓地があって、それは何百年も前からそこにあるんだって。

町の人も誰のお墓なのか知らないみたい。と言うより知っていても話したくないような雰囲気。私のお父さんとお母さんは本当に知らないみたいだけど。まあこの町に越してきたのが二十年ほど前で、割と新しい市民だから知らないのは当たり前かもしれない。

で、噂って言うのがその墓地に人魂が出るらしいの、人によっては鬼火とも言うみたいだけどね。鬼火と人魂の違いはよく分からないけど、その鬼火(ここでは鬼火って言うね。一応『嗤う鬼火』っていう題だから。)を見たという人の何人かは、それから嗤い声が聞こえて、その嗤い声がだんだん近づいてくるんだって。想像しただけで背筋に冷たいものが流れてきそう。

 この話には続きがあって、その『嗤う鬼火』を見た人は何らかの事故に遭遇するらしいの。

 だから町の人は暗くなると人恋坂は絶対に通らないようにしている。少し脇に新道が出来ているから今更通る必要性も無くなっているけどね。その事も災いしてか人通りの少なくなった人恋坂は、どこからか噂を聞きつけた物好きが他所から来て度々事故を起こしているから、元の話に尾鰭が付いて全国的にも有名な心霊スポットになってるみたい。

 

 なぜこんな話をしてるのかって!そうそうこれからが本題。私のクラスに中馬賢一っていう男の子がいるんだけど、その子が『嗤う鬼火』を見に行かないかって言いだしたの、名前は賢一だけど、どう考えても賢くない意見。

 それでもクラスの四人で今週の土曜日の夜にそこへ行くことに、なぜか私も参加、私も決して賢くない部類かも?

 私の参加する理由は二つ、一つは、友達の近藤美歩ちゃんと中馬君の仲が良くて意気投合して行くことに賛成したこと、もう一つは、あの倉橋君も参加するということ。何とあの倉橋君と中馬君が古くからの友人らしい。どう考えても接点がなく、学校でもそれ程親しく話している風でもない。倉橋君に少なからず興味を抱いている私が誘いを断る理由がなかった。

 ともあれ今週の土曜日の午後九時に学校に集合してそこからみんなで行くことに。学校から人恋坂の梺まで自転車で十分程、そこから先は自転車では無理なので(坂が急すぎて)歩きになる。目的の頂上に着くのは何時になるのやら。

 

 

 

「嗤う鬼火」2に続く



では後ほど!




関連記事
スポンサーサイト
(この一行は、各記事の最後に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)

コメント

コメントの投稿

非公開コメント


(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)
カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
にほんブログ村
にほんブログ村ランキングに参加しています。少しでも気に入っていただければ下記バナーをクリックしていただければ幸いです。
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
サイドバー2下の追尾スペース
ここに追尾させたいものを記載します。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。