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「嗤う鬼火」 3

お薦め文庫バナー2
   最近読んだ本で、個人的に面白いと思ったものを紹介しています。


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 あの後直ぐに解散し各々帰宅したけど、家に帰っても倉橋君からの伝言が頭から離れない。

(青白い球体が私にぶつかった?)

 それだけでも嫌な感じがするのに、一人にならない方がいいなんて不吉そのものの言葉。考えただけで躰がぶるっと震えてしまう。決して武者震いなんかではないのは確か。

 美歩が泊まってくれるというので、多少は気分がまぎれているが、何かの拍子にふと思い出すと、やっぱりぶるっ!

 そんなことを考えながらも私は六畳程の部屋に我が物顔に置かれているシングルベットと申し訳なさそうに佇む小さな机の間に所狭しと無理矢理二組の布団を敷いていた。黙々と作業をしている私の横で、美歩が机の上にあるノートパソコンでインターネットを閲覧している。

「あった!」

 その言葉に私は何かに釣られるように美歩の方に向いた。

「嗤う鬼火ってネットにも載ってるよ。有名なんだ!」

 一通り布団を敷き終えると、美歩の隣に行きディスプレイを覗き込む。

<君は流行り神を見たか!?>

 という見出しで、全国の都市伝説を紹介しているサイトのようだ。

「ねえ、どんな内容のことを書いてるの?」

「ちょっと待ってね」

 美歩はそこに書かれている文章を初め声を出して読んでいたが、途中から黙読し始めた。美歩の読んでいる文章の横に、私もよく知っている人恋坂とあの墓地の写真が掲載されている。

「私達が知ってる内容とそれ程変わらないみたい。でもこれには嗤い声が聞こえるって書いてあるけど、女の人の幽霊が出るなんて書いてないよ」

「私達、嗤い声なんか聞いてないよね」

「そうだね。私がお墓の方に目を向けたときには、あの女の人はもうそこにいたような気がするけど・・・」

 そう言い終わった後に、美歩は躰を小さく震わせた。その時の事を思い出したのだろう。あの暗闇の中、あの場所で、あのシュチエーションは本当に怖い。と言うより怖かった。

「もうこの話止めようよ」

 私は話題を変えようと、

「ところで。美歩と中馬君付き合ってるの?」

 ストレートな質問。

「えっ・・・うん・・・まあ・・・」

歯切れが悪い。やっぱりそうなんだ。何となく良い関係に見えたもんね。

「そんなことより、志緒ちゃんは倉橋君のことどうなの?」

 今度は私がうろたえる番?

「どうなのって言われても・・・」

 間の悪い空気が・・・。その時美歩の携帯が鳴った。良かった。助かった!

 美歩は携帯を取り、私に背を向けて話している。僅かに聞こえる話の内容から、相手は中馬君のようだ。話を終えた美歩は携帯を閉じながら私の方に向き直った。

「中馬君から?」

 私は冷やかし混じりに聞くと、

「そうだけど・・・」

美歩は少し恥ずかしそうな表情をしていた。

「明日、アルテイシアに集まらないかって」

「アルテイシアって学校の近くにあるあのアンティークな雰囲気の喫茶店?」

「そう。あそこに十時に集合しないかって。ていうより強制集合みたいだったけど・・・。倉橋君も来るって」

 少し意地の悪そうな顔。私は時計を見た。すでに午前三時。やばい起きられるだろうか?私も一応女の子だから、お化粧とか準備とか色々と時間が掛かる。せめて八時には起きないと。

「そろそろ寝ようか」

布団に入って一時間。午前四時。私は中々寝付けなかった。横では美歩がすやすやと寝息を立てている。何度も寝返りを打ち、何とか眠れそうな感じになったとき、私の中で何かが脈打った。

(何!)

 動悸が速くなり息苦しさを感じる。手を胸の上に上げようと思ったが、その手が全く動こうとしない。

(金縛り!私どうしたの?)

 そうしているうちに急に下腹部が熱くなってきた。でも躰が自分の意志で動かない今の状態ではどうすることも出来ない。

(どうすればいい?美歩!美歩!)

 私は声にならない叫びを横で眠っている美歩に投げかけたが、美歩は何事もないように静かに眠っている。

頭がパニックになりかけたとき、下腹部の熱が少しずつ下がっていくのを感じた。それと同時に、下腹部辺りから青白い球体がふわりと浮き上がってきた。しばらく私の胸辺りでゆらゆらと漂っていたが、その球体が徐々に女性の顔の形に変わっていった。見たことのある女性。そう人恋坂で見た悲しそうな顔をしていたあの女性だ。私は恐怖の余り目を瞑ろうとしたがそれさえままならない。私は一体どうなってしまうの?

 その女性は少しずつ近づき、私の腕を掴むと何かを呟くように唇を動かした。私には読心術の心得がないから何を言っているのか全く解らない。それどころではない状態なのだ。

 私は気を失ったのか、眠ったのか判らないがそれから後の記憶はなかった。


 

最初から読む       「嗤う鬼火」4に続く



では後ほど!





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