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「嗤う鬼火」 9

img044.jpg     お薦め文庫バナー2


   今までに書いたイラストや小説の保管場所。最近読んだ本で、個人的に面白いと思ったものを紹介しています。



私は急いで家を出ると、倉橋君の家というより喫茶『アルテイシア』まで少し小走りで向かった。

既に倉橋君は表に出て待っていてくれた。

「おはよう!」

 私から声を掛ける。

「おはよう」

 倉橋君からの返事。

何だか朝待ち合わせして登校している恋人達みたいなシチュエーションに胸がときめいた。倉橋君が先に歩き出す。私は彼を追うようについて行く。数歩行ったところで、倉橋君が前を向いたままで、

「昨日の夜は何もなかった?」

 なっ、何と倉橋君の方から声掛けが・・・。私は歩速を速め横に並んだ。

「昨夜は普通で何もなかったよ」

「そうか。ならいいんだ」

 たったそれだけの会話だったけど何だか嬉しい。

 神社に着くと、昨夜と同じように境内を掃除している神主さんの姿があった。

「おはようございます」

 二人同時に挨拶をする。

「おはよう」

 神主さんもいつもの笑顔で応えてくれた。

「何かわかりましたか?」

 倉橋君は解答を急ぐように切り出した。

「まあそんなに慌てるものではないよ」

 ゆったりとした返事が返ってくる。

「まだはっきりしたことが分かったわけではないが、何らかの霊的現象が彼女の身に起こっていることは間違いないようだから強めのお札を作ろうと思うんだか」

 神主さんは袈裟のポケットから無地の用紙を取り出すと、

「これにあなたの名前、生年月日、住所を書いてくれないかい」

 そう言って私にその紙とペンを差し出した。私はそれを受け取り境内の上で情報を書き込んで渡す。

「今日中に念の入ったお札を作っておくので、面倒かもしれないが学校帰りにもう一度よってくれないかい」

 私の書いた紙を受け取りながら言った。

「おっと!そろそろ八時を過ぎる頃だろうから、早く学校に行かないと遅刻するかもしれないよ」

 私は左手首にしているミッキーマウスの腕時計に目を移す。本当だもう八時を過ぎてる。急がないと本当に遅刻しそうだ。でも神主さんは時計も見ないでどうしてこんなに正確に時間が分かるんだろうと感心していると、隣の倉橋君がすっと立ち上がり、

「すみませんがよろしくお願いします」

 そう言うと何も言わずに歩き出した。私も慌てて立ち上がり神主さんに頭を下げて彼を追った。何か一言でも言ってくれればいいのに。そう思いながら小走りで追いかけている私の後から、

「もう少し彼女に優しくしなさいよ!」

 この神主さん本当にいい人だ。絶対間違いない!

 

 

 

 




 


最初から読む      「嗤う鬼火」10に続く



では後ほど!





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