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「嗤う鬼火」 10

img044.jpg     お薦め文庫バナー2


   今までに書いたイラストや小説の保管場所。最近読んだ本で、個人的に面白いと思ったものを紹介しています。



 その日の授業も滞りなく終了し、私は下校と共に倉橋君と神社に向かった。

今朝行った神社に私は今まで行ったことがなかった。近くを通ることはあったけど何を祭っているのか分からなかったし、入り口の鳥居の雰囲気からしてかなり古く、決して明るく開けた感じもなくむしろ既に人の介在していない寂れた神社だと思っていた。

 鳥居から細く暗い階段を結構上がらなければならないし、下から見上げた感じも夜は絶対通りたくない陰気な感じがする。

だけど実際上がってみると上は広く明るい。私はこの神社に対しての評価を改めなければならないようだ。

 今倉橋君とその階段を上がっているが、失礼な感覚を反省してもこの階段はやはり一人で上がるのには二の足を踏んで躊躇する。折角二人でいるというのに決して若い二人の爽やかな交際とは言い難い場所だ。

 べ、別に倉橋君と付き合っているわけではないけど・・・。倉橋君は私のことどう思っているんだろう。

 境内まで辿り着くと神主さんは待っていてくれたのか縁側に腰を掛けてお茶を啜っていた。何だかテレビドラマか映画のワンシーンのような穏やかさだ。

 私達に気付いたb神主さんは、

「おっ、来たね。ちょっと待っていてくれるかい」

 そう言って立ち上がると奥に入っていき、ほんの数秒で出てきた。手に何か紙を持っている。

「この御札を肌身離さず持っていなさい」

 私に差し出す。私はそれを受けとるとその御札に視線を移した。御札は葉書程の大きさで、中心部には何て書いているのか分からないけど梵字ようなものが大きく書かれていて、その周りにこれまた何を書いているのか分からない暗号のような文字で装飾されている。

 私はしばらくそれを見入っていた。

「これって折り曲げても大丈夫ですか?」

 私は恐る恐る質問した。

「大丈夫だよ。小さく折り畳んで出来るだけいつも身に付けているものに入れておくといいよ」

 私は神主さんに、有り難うございますと丁寧に頭を下げると、取りあえず半分に折りカバンの中に入れた。

 

神社からの帰り、外はまだ明るく人の行き来も多かったので二人で『アルテイシア』に寄った。マスターである叔父さんに嬉しい冷やかしを少し受けたが、倉橋君と対峙するように座り、倉橋君はいつものミックスジュースを注文し、私も同じものを頼んだ。

「あの神主さんは昔からの知り合い?」

 倉橋君は私の顔に視線を移し少し間を開けて、

「俺の両親が事故にあったとき、ちょうど居合わせた三宅さんが色々と事故処理をしてくれたんだ。最初は施設に入る予定だったけど、三宅さんと叔父さんが知り合いだったことから叔父さんの家にお世話してもらえるように段取りしてくれて、まあ俺にとっては恩人みたいな人かな。叔父さんも快く引き取ってくれたから感謝しているんだ」

「そうなんだ。優しそうな人だもんね、神主さんらしくないけど」

「でも三宅さんの神通力はかなりのものらしくて、その筋の人には有名なんだよ」

「じゃあ、この御札は期待して持っていんだ」

「今のところ大きな実害は出てないけど、これから何が起こるか分からないし、その御札は肌身離さず持ってれば何らかの形で絶対役に立つと思う」

 倉橋君の少し大袈裟ともいえるその言葉に私は身震いを感じた。


最初から読む      「嗤う鬼火」11に続く



では後ほど!







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