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「嗤う鬼火」 11

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   今までに書いたイラストや小説の保管場所。最近読んだ本で、個人的に面白いと思ったものを紹介しています。



 それから数日間は何事も起こらず平安無事な生活が続き、人恋坂で起こった事など既に記憶の隅に追いやられていた。大きな要因はこの一週間で倉橋君との距離がかなり近くなったことだ。

 あれから毎日のように倉橋君は私に声を掛けてくれた。私の返事はいつも、

『大丈夫、何も無かった』

だが、それだけの会話でも年頃で相手に好意を持っている乙女には嬉しい。

相変わらずクラスでは物静かで限られた男友達としか話をしない倉橋君が女の子の中では私にだけ話しかけてくれる。これほどの優越感があるだろうか。

 物静かで少し翳りのある倉橋君は顔立ちの良さも手伝ってか校内の女の子に人気がある。でもどの子も話しかけにくいようだ。校内で話をする女の子は多分私と佐緒里さんだけではないだろうか。

(あの無愛想さは確かに近寄りがたいよね)

 そんなことを考えながら帰宅の路についていると、後からその当の本人の声がした。

「倉橋!」

 私はその声で条件反射のように振り返ると、すぐ真横に倉橋君が居てあまりの近さに少し引いてしまった。・・・勿体ないことをしている。

「明後日の日曜何か予定が入ってる?少しでも時間がとれないか?」

 おもむろの言葉に私は少し躊躇したが冷静に考えて倉橋君の誘いなど滅多にあるものではない、というより皆無に近いと思っていた。どんな重要な用事、珍事があってもここは最優先しなくては。

 

 その夜私は日曜日にどんな服装で行こうかと考えながら夕食を取っていると、

「どうしたの?そんなにニヤニヤとして」

 お母さんが私の前にある白菜の漬物に手を伸ばしながら言った。相当ニヤついていたのだろう不審そうな顔をしている。その横でお父さんも、

「志緒理!・・・彼でも出来たのか?」

 少し無愛想に言った。父親としては気に掛かるのだろう。

「べ、別にそんなんじゃないけど・・・」

 私の返事は空を飛んでしまったようだ。声が上ずっている。

「まあ志緒理も年頃だからねえ。彼氏の一人もいないと幸先が不安になるわ。お母さんにも紹介してね」

 既に彼氏が出来たことになっている。本当にそうならいいのに。明日はお母さんと買い物に行く予定なのだが、その時に洋服でも買ってもらおうかな!

「明日の買い物でデート用の服でも買ってあげようか?」

 さすがお母さん!

 

翌日、私はお母さんと大手アウトレットモールに行った。所狭しと並ぶ店に目移りしてしまい中々お目当てのものに辿り着かなかったが、何とかお気に入りの服を買ってもらった。もう少し安い物でも良かったのだが、少し高めの可愛いワンピースでスカートの裾が長く淡いブルーの涼しげな物だった

 私は帰宅途中には気分も上々にすでに明日のことを考えていて、お母さんとの会話にも噛み合いがなく心ここに非ずだった。

 今夜また奇妙なそして恐ろしい体験をするなどとは微塵も思っていなかった。

 

 


最初から読む      「嗤う鬼火」12に続く



では後ほど!







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