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「嗤う鬼火」 12

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   今までに書いたイラストや小説の保管場所。最近読んだ本で、個人的に面白いと思ったものを紹介しています。



第四章「続発

 

 

 その日の夜は、明日のことがあってか中々寝付けなかった。

十時に迎えに来るって言ってたけど。家まで来ると言うことは当然の如くお父さんかお母さんと顔を合わせる確率が高いわけで、特にお母さんなんかは絶対顔を出すに違いない。何たって興味津々だもん!

 こういう時のお父さんの気持ちって複雑なのかなあ?何たって一人娘だし。私に彼氏が出来るなんて想像してないよね。

 「!」

 べっ、別にまだ彼氏じゃないし。私何一人で盛り上がっているんだろう。

 机の上で頬杖をつき全く持って眠気のない冴えた頭でそんなことを考えながら一人で顔を赤らめている自分に気付き。

「ふう~」

 大きく溜息をついた。端から見るとさぞかし変な子に見えるんだろうな。早く眠らないと、睡眠不足はお肌の敵っていうし・・・。

取り敢えずベッドに横になろうと思い椅子から立ち上がろうとしたところで身体に違和感を感じた。

「何?」

 どう表現していいのか分らない。でも何かがおかしい。そう椅子から立ち上がることが出来ないのだ。腰の周りに何十キロもあるベルトを巻かれているようなそんな感覚、もう少しで動きそうなんだけど動かないというジレンマ。何だか嫌な予感。

(少し落ち着こう)

 私は自分に言い聞かすように大きく深呼吸した。椅子に腰を据えて視線をゆっくりと腰の方に移す。

 予想していたとはいえ、それを視たときは声すら出なかった。あの時の女の人が、先週私の前に現れた霊が再び現れたのだ、それも私のお腹の部分からすり抜けるように顔だけを覗かせている。私は呆然というより、半分脳神経は死んでしまったかのように硬直している。

(どうすればいい?倉橋君!倉橋君!倉橋君!)

 お題目のように倉橋君の名前を脳裏で連呼していたとき、机の上の携帯が音を立てた。その音で逆に冷静さを取り戻した私は、机の上に置いてあった携帯ではなく、その横に置いてあった小さなポシェットを掴むと目を強く瞑りそれを両手で包むように握りしめた。

 下腹部に動きがあった。腰が軽くなってくるのがわかる。目を開けるのは怖かったのでその状態でゆっくりと椅子から立ち上がり薄目を開けてベッドの方に移動した。身体がいつもの状態に戻ったのを自分なりに認識すると、ゆっくりと目を開けた。そこにはもう何もなかった。携帯電話の音が鳴り続けている。私は慌てて携帯を掴むと着信者の名前も確認せずに通話ボタンを押した。

「もしもし」

「俺、倉橋だけど」

何と絶妙なタイミング! 私はその声を聴いたとたん全身の力が抜け落ちたかのようにベッドに座り込んだ。



 


最初から読む      「嗤う鬼火」13に続く



では後ほど!







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