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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第一章 「撮影会を始めます」 3

第一章 「撮影会を始めます」 3



 

 圭介と真理恵と美穂の三人は家が学校からそれ程遠く離れていないので徒歩通学だ。今美穂は制服に着替えている。流石にあの格好で学校まで来たのではないようだ。空は既に暗くなっていて、交通量もまばらなこの道は静けさを漂わせている。そんな道を三人で肩を並べるように歩いていると、

「あの写真は一体何なのかしら?」

 美穂が不安げな声色で言った。自分の写っている写真にあんなものが写っていると誰しもがそう思い不安になるだろう。

「まだ何とも言えないな。単なるシミュラクラ現象かもしれないし…」

「そのシミュラクラ現象というのは何ですか?」

 隣を歩いていた真理恵が不思議そうな顔をしてその言いにくそうな言葉の意味を尋ねた。近くに美穂がいるのでまだ先輩後輩言葉を使っている。

「人間の目には、三角形に配置されたものをそれぞれ目、口と認識してしまう習性があるんだ。君たちにも経験があると思うけど、丸い形をしたものが逆三角形に配置されていているのが人の顔に見えたということがあるだろう。人面犬や人面魚なんかもこれに当てはまると思う。こういった現象を科学的に解明したものがシミュラクラ現象、又は類像現象と言うんだ。心霊写真といわれている物の八割から九割がこの現象だと言われている」

 圭介を挟むように真理恵の反対側を歩いていた美穂もその話を聞き入るように耳を傾けている。少し怖くなってきたのか、美穂は圭介の学生服の裾を親指と人差指で摘むように持っていた。こういう仕草が男を惑わす要因になっているのかもしれないが、意識的にやっているのではなさそうだ。圭介はそんな美穂の仕草に気が付いているのかいないのかわからないが、彼女の方に向き、

「もし心霊写真だったら、後々面倒なことが起こらないとも限らないから、ちゃんとしたところで見てもらった方がいいと思うけど、まだ何とも言えないから、残りの写真を含めてもう一度よく確認してみようと思っている。明日また連絡するから早川君の連絡先教えといてくれる」

 美穂は圭介の学生服の裾を一旦放し、バッグから携帯電話を取りだす。三人はその場で立ち止まり圭介と美穂は赤外線通信で連絡先を交換しあった。

「じゃあ、私の家そこだから、今日は送ってくれてありがとう。明日必ず連絡してね」

 恋人同士のような会話を交わして、美穂は小さく手を振って家の方へ歩いていった。その仕草一つ一つがとても可愛らしく感じられる。世の男どもは勘違いしてしまうのもわかるような気がする。

「何だか圭ちゃんと早川先輩恋人同士みたい」

 横にいた真理恵が不満げな表情で皮肉を言った。学校を離れると真理恵は圭介のことを“圭ちゃん”と呼んでいる。

「別にそんなことないだろう。普通の会話だと思うけど」

 圭介がきょとんとした表情で返した。

「早川先輩、圭ちゃんの学生服の端っこずっと持っていたでしょ。あれ絶対おかしいよ」

「考えすぎだろう。早川君は誰に対してもあんな感じで接しているし、悪気はないと思うよ。意識してやっているとも思えないし」

「でも私は嫌だったの」

 そう言って真理恵はすたすたと歩き始めた。「はぁ~」と溜息をつきながら圭介は真理恵の後を追った。







第一章 「撮影会を始めます」はまだまだ続く。

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