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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第二章 「怪現象が起こりました」 7

第二章「怪現象が起こりました」  7





 その日の夜、美穂は圭介のことを考えながら床に入った。男性に対する接し方は慣れているはずで、自分のペースに持っていくことに難しさを感じたことはない。だが圭介に対しては思うように事が運べない。確かに彼は頭脳明晰だがそれと人間関係や恋愛というのは全く別のものだと認識している。勉強ができる人というのは本人も気付かないうちに人を見下したような態度をとるというイメージがあるが、圭介はそんな素振りを全く見せないし、そんなことも思っていないように感じる。それにしても長谷川真理恵とはどういう関係なのだろう。まだ入学して一ヶ月の真理恵と圭介との関係はそれ程長くはないはずだ。真理恵に対する圭介の接し方がどうも怪しく感じられる。あの二人どうもぎこちない割には意思の疎通がとれているようだ。

(今まで私が接してきた男性とは全く異なるタイプで何だか新鮮……ひょっとして私長谷川さんに嫉妬している?)

 思いもしなかった自分の感情に驚愕しながらも、それを納得している自分を冷静に観察していた。自分の方から異性を意識するなど今まで経験のないことだった。

 その時、急に耳鳴りが美穂を襲ってきた。キーンと頭に響くような耳鳴りにしかめ面をしながら上半身を起こす。

しかし起こしたつもりだった身体は全く動いていなかった。

(金縛り!)

 瞬時に脳裏によぎった言葉に意識が動揺している。落ち着こうと深呼吸をしようとするが息苦しさを感じ思うように呼吸ができない。耳鳴りは続いていて、治まるような感じは微塵も感じられない。

 どの位経っただろうか、耳鳴りが落ち着き始めると、それと共に周りの音が耳に入ってくる。脇で何やら動きのある音がし、ベッドの端を押さえられたような感覚が全身を襲った。

(誰かいる!)

 その感覚に意識がパニックを起こし始めていた。きつく目を瞑り、

(誰か、誰か、助けて、助けて、誰か)

 そう唱えるように念じていると、不意に身体が軽くなった。ここぞとばかりに身を起こし直ぐに部屋の電気をつけた。

 いつもの自分の部屋の景色が網膜に映る。美穂は大きく息を吸いそれを吐こうとしたがそれがままならなかった。ベッドの脇にある小さな窓の前に見覚えのあるものがぼんやりと立っていた。

「ひっ!」

 それは完全な実体として目に入った。腰ほどもあるだろう長い髪に虚ろな瞳のない目、前髪が無造作に垂れていて、顔の半分を隠している。あの写真に写っていた女性だということは一目瞭然だった。

 窓の前に立っていたその女性は、体は動いていないが滑るように、かつゆっくりと美穂の方に近づいてきているようだ。

 部屋の明かりは点いているというのにここまではっきりと見える見知らぬ女性に恐怖を感じないわけがない。美穂は声を出すことさえできず、その場に佇むだけだった。

 更に女性は近づき、美穂との距離が一メートルもない。その女性の手が前に突き出すように上がった。その時点で美穂との距離は数十センチにまで近寄る。その時机の上にあった紙が“ふわっ”と動いたかと思うと、風に飛ばされるように舞い上がりその女性の背中に張り付く、圭介から貰った魔除けだ。すると女性の動きが止まり、苦しそうな表情で悶え始めた。

 女性が美穂から離れていく。背中に着いた魔除けの紙を取ろうともがく姿は見るに堪えないほどおぞましく美穂はその恐怖のあまり気を失ってしまった。

 


 


幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第二章 「怪現象が起こりました」  完

                    次回     第三章 「少し近づき過ぎていませんか」










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