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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第三章 「少し近づき過ぎていませんか」 2

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第三章 「少し近づき過ぎていませんか」 2



 翌朝、圭介と真理恵は肩を並べ、遠藤先生に話を聞くために学校へ向かった。ゴールデンウィーク中ではあるが遠藤先生のことだから学校に来ている確率はかなり高い。そういう先生なのだ。

 真理恵に確認してもらう予定だったのだが、圭介も聞きたいことがあり一緒に行くことにした。

 学校に着くとその足で直接職員室に向かい遠藤先生を探す。何人かの先生がいたが、案の定遠藤先生も机に座り何かを書いていた。二人は先生の方に歩み寄ると、

「遠藤先生。少しよろしいですか?」

 圭介が丁寧な言葉で話しかけた。遠藤先生は何かを書きていた手を止め振り返る。

「中山か!どうしたんだ?」

「少し教えて頂きたいことがあるのですが」

「少し待ってくれるか」

 遠藤先生はそう答えると、再び書類の方に向き直りペンを走らせ始めた。圭介達は二、三歩下がって先生の作業が終わるのを待つ。何を書いているのかわからないが達筆な文字で流れるように書いている。十分程経っただろうか先生の手が止まり、ペンを置くと圭介達の方に向き、

「ここでいい話か?」

 そう言い、圭介が頷くと、近くにある他の先生の椅子を二脚程引っ張り出すと二人に勧めた。少し迷いながらも勧められた椅子に座ると、

「勉強の事なら儂はお前に教えることなど無いぞ。お前の方が全てにおいて知識は優っているからな」

 中山圭介という人物は教師にとって非常にやりにくい生徒なのかもしれない。

「実は昔あったという写真部についてお伺いしたいのですが」

「写真部? ああ十五年前に廃部になったやつか。昔の写真部の何を聞きたいんだ?」

 昔を思い出すように天井を見上げながら余り触れたくないような表情で答えたが、圭介はそんな先生の表情にもおかまいなしに尋ねる。

「その写真部はどうして廃部になったのですか?」

遠藤は腕を組み思案するように、

「うーん。あまり話したくはないのだが、どうしても聞きたいことなのか?」

「出来れば教えて頂きたいのですが。実は……」

 先日起こった出来事の一部を掻い摘んで話した。遠藤は思慮深く聞いていたが少しずつ難しそうな表情に変わっていった。

「色々と原因を考えてみたのですが、どうもしっくりとくるものがなくてひょっとしたら過去の写真部に何か原因があるのではないかと。そのせいで写真部は廃部になったのではないのですか?」

 遠藤はしばらく考え込んでいたが、意を決したのか、

「中山だから話すが、余り外に口外しないでくれよ。」

 圭介と真理恵は小さく頷く、

「あれは十五年前の冬だったかな、十二月の半ばの事だったと思う……」

 遠藤の話によると十五年前の冬、当時十人近くいた写真部で今回圭介達が行ったような撮影会を行ったらしい。当時の部長だった山本洋二という男子生徒と恋仲にあった三村美由紀という女生徒との間に割って入った一人の男子生徒がいた。彼も写真部員であったが、二人の関係を知りながらも強引に交際を求めたらしくちょっとしたきっかけで山本とその男子生徒が喧嘩を始めた。俗にゆう三角関係の縺れというか、その男子生徒がありもしない噂を圭介に言ったことが原因らしいのだが、取っ組み合いの喧嘩になり、その喧嘩の仲裁に入った三村美由紀が突き飛ばされる格好になった時、運悪く三階にある美術室の窓から落下してしまったのだ。幸いなことに下には大きなタマツゲの木が覆い茂っていたため命は助かったが、今でも寝たきりになっているらしい。

 そのことが原因で写真部は一週間の活動停止になったが、数人の部員がそれを機に退部してしまったため結果的に廃部になってしまったという。

「いやな事故ですね。それでその女生徒は今でも病院かどこかにいるのですか?」

「今は自宅でご両親が目覚めるのを信じて看病しているそうだ。あれから十五年も経つから、もし目が覚めたとしても日常生活は難しいだろうな」

「そうですね。全身の筋肉が衰えてしまっているでしょうから」

 圭介の隣で真理恵が、聞かない方が良かったかもしれない内容に悲しそうな表情をしている。

「ところで山本さんという方は、今どうしているのですか?」

「山本は結婚してこの街のどこかで暮らしているらしいが、俺もよくは知らない」

 遠藤のその言葉に真理恵がポツリと呟く、

「山本さんは事故の後三村さんとの関係を切ったのかしら、もしそうなら悲しすぎる。私はそんな人嫌だな」

「山本さんは山本さんで色々あったんだと思う。確かに悲しい話だけど現実はドラマや小説のように綺麗ごとでは生活できないからな。生きているからこそつらい選択する必要もあるさ」

 圭介のその言葉に不本意さを感じながらも真理恵は黙って聞いていた。

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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」    第一章 「撮影会を始めます」

                           第二章 「怪現象が起こりました」

                         第三章 「少し近づき過ぎていませんか」


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