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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第四章 「昔に何がありましたか」 2

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第四章 「昔に何がありましたか」 2

 数分前の美穂と真理恵は圭介と別れたのち肩を並べて歩いていた。

「ねえ、長谷川さんと中山君はどういう関係?」

 美穂は以前から聞きたいと思っていたことを尋ねた。

「えっ! ……別に学校の先輩と後輩というだけですが」

 「そんなわけないでしょう。今年入学してきてまだ一か月ちょっとで、ここまで一緒にいるのは変でしょう。ひょっとして中山君のことが好きなの? 一目惚れってやつ?」

 少しきつい言い方かなと思いながら言うと、

 「いえ、実は私と中山先輩は幼馴染なんです。昔からよく一緒にいたんでその流れでというか……」

 歯切れの悪い言葉が返ってくる。

「そうなの! あなたと中山君幼馴染なんだ。じゃあ中山君の事よく知っているわね。彼の事教えてくれない」

 美穂はその場で立ち止まり、体ごと真理恵の方に向きを変えた。

「どうしてですか?」

 何となく不安そうな返事だ。ひょっとしてこの二人には何か秘密でもあるのだろうか。

「あなたにこんなことを言ってもしかたがないし、自分でも今一つ判らないけど、私中山君のことがひょっとして好きなのかなって思う時があるの。今まで色々な男の人に会ってきたけど中山君みたいな人は初めて」

 真理恵の表情が曇った。心の中で何かと戦っているようなそんな表情をしている。

「そうなんですか? 中山先輩は……」

 その時、目の前の景色が“すーっ”と変わっていった。先程まで晴れていた空が、どんよりと曇っている。気が付くと面の前にあの女性が立っていた。昨夜と同じ腰ほどもあるだろう長い髪に虚ろな瞳のない目、前髪が無造作に垂れている。

 自分の顔が強張ってきているのが判る。躰が思うように動かない。目の前の女性はただ目の前に立っているだけで何をするわけでもなく、じっと美穂を見ているというか、見ているように見える。彼女には瞳がないのだ。

「ど・し・・ですか?」

周りで何か声が聞こえるのだか何を言っているのか解らない。

呼吸が苦しくなってきた。

「は・か・・ぱい! ……はや・わ・・・い!」

 何かが聞こえる。誰かが何か言っているようだ、しかしどうしても内容を聞き取ることが出来ない。その時目の前のいる女性が口を開いた。

『一緒に行こう。私と一緒に行こうよ』

 脳内に響くように聞こえた。

「近くに来ないで! あなたどうして私の前に現れるの?」

『一緒に行こう。私と一緒に行こうよ』

同じ言葉が繰り返される。頭に響く声の大きさが増しているように感じられた。

「私があなたに何をしたというの?」

 手を前に突き出しその女性を遮るようにして叫んだ。

「は・かわ・せ『一緒に行こう。私と一緒に行こうよ』だい・・う・です・・」

「何・言って・・・? 『一緒に行こう。私のいる世界へ』 ・・私・?」

 目の前にいる女性を振り払うように腕を大きく振り払うが何の手応えもない。そればかりか少しずつ近付いて来ているようだ。これ程までの恐怖を今まで感じたことがない。頭がおかしくなりそうで、気が狂いそうだった。自己防衛のためか意識が遠のいていくのを感じてその場に座り込んだ。

「早川先輩、大丈夫ですか?」

 聞いたことのある声に落ちかけていた意識が戻り始めるのを感じた。大きく深呼吸をして呼吸を取り戻す。少しずつだが落ち着きが返ってくるのを感じた。

 隣で真理恵がスマホを手に取りどこかに電話している。

「もしもし圭ちゃん、今早川先輩が……」

(圭ちゃん? 誰に電話しているの? 私どうしたのだろう?)

 美穂はまだボーとしている頭で現状把握しようと努力していた。

 


第四章「昔に何がありましたか」 2 完



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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」 

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