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幼馴染は婚約者 「写真部怪奇事件」     第五章 「これで解決ですか?」 2

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第五章 「これで解決ですか?」 2


 その日の深夜二時を過ぎたころ、まさに丑三つ時の時間に美穂は隣ですやすやと眠っている真理恵を横目にそっと布団から出ると、抜き足差し足で部屋を出て隣の圭介の部屋に静かに入っていった。

 ベッドでぐっすり眠っている圭介に近づくと、しばらくその寝顔を見ていたが、ゆっくりとした動作で圭介の布団に入り寄り添うように横になると、余程落ち着くのだろう。あっという間に小さな寝息を立てた。

 しかしその眠りも長くは続かなかった。

 美穂は美術室に作られた仮のステージの上でポーズをとっていた。髪を掻き上げたり、腕を組んだり、その場に座って誰かを挑発するようなポーズで数台のカメラの被写体になっている。その姿を別の場所から見ている自分がいた。幽体離脱したかのように自らの目で自分を見る、何とも奇妙な感覚に囚われる。

(これは夢だ!)

 感覚的にそう感じた。そう思うと心なしか高揚した気持ちでそれを見ることができ、撮影を楽しんでいる自分の姿を客観的に静観することが出来た。しばらくその夢を楽しむように見ていたが、

(!)

 画面が急に歪んできた。水面に映った景色を何かで撹拌したように崩れていく。錯綜された画面がしばらくの間続いたが、それが落ち着いてくると、そこには先程とは違う画面が映し出された。

 二人の男が掴み合いの喧嘩をしていた。学生服を着ているので高校生辺りだろうか。その後ろに一人の女生徒、登場人物は三人だけだ。喧嘩をしている男は二人共知らない顔だったが、もう一人の女性徒の顔をみてハッとした。その女生徒は自分そっくりに見える。いや正に自分自身だった。

 喧嘩はエスカレートしていき、かなり激しい状態になっていて、近くにいる女生徒もどうすることもできず怯えたような表情で立ち竦みその状況を見ることしかできずにいる。

二人の男子生徒は掴み合ったまま、あちらこちらと移動していたが、勢い余り立ち竦んでいた女生徒に衝突した。女性の身体が突き飛ばされるような状態になり“ふわっ”と浮き上がると、開いていた後ろの窓から身が投げだされるような恰好になった。

 一瞬の出来事だった。掴み合いをしていた男子生徒達も、息をのみその場に硬直する。その出来事に頭も冷静になったのか、お互い腕をゆっくりと解き窓に近づくと下を覗き込んだ。青々と茂った中庭の芝生に上にうつ伏せに倒れこんでいる女生徒の姿が小さく見える。その場で客観的に見ていた美穂も、男子生徒と同じ視線でそれを見ていた。倒れ込んで身動きしない女生徒はやはり美穂自身の姿にしか見えなかった。

「!」

 美穂は大きく息を吸いこみながら目を覚ました。夢だと感覚的には解っているものの、やはり自分が危険に遭遇している様子を見るのは気持ちの良いものではない。しばらく息を吐くことを忘れ大きく目を見開いていた。身体が呼吸という行為を思い出したのか今度は大きく息を吐く。今度は人間としての本能がそうさせるのか立て続けに大きく深呼吸をさせ気持ちを落ち着かせようとしていた。

 数分間はそうしていただろうか? 呼吸が落ち着くとゆっくりと躰を起こし横で眠っているはずの圭介に視線を移したがそこに圭介のる姿はなかった。

 急に部屋の明かりがついた。手に麦茶か何かを持っている圭介が部屋の扉の前に立っていた。

「大丈夫?」

 ゆっくりとこちらに近づいてくる。

「びっくりしたよ。朝方目が覚めたら早川君が隣にいて苦しそうに魘されているし、譫言のように“あれは私、あれは私 と言っているし」

 そう言いながら手に持ったコップを美穂に差し出した。

「取り敢えずこれを飲んで。落ち着くから」

 美穂はそのコップを受け取り、半分程一気に飲み干した。気持ちが落ち着いてくる。

「また何か怖いことでもあった?」

 美穂は直ぐに答えることが出来ず、長く息を吐き出して首を横に振った。

「夢を見たの、たぶん三村さんが美術室から落ちた時の状況みたいな感じの、でも落ちて倒れていたのは三村さんではなくて私で、それを別私が見ていて……」

 美穂は自分を抱きしめるようにして少し震えていた。余程生々しい夢だったのだろう。しかし圭介は何もできないままその場に立ち尽くすしかなかったが、

「もう大丈夫だから、僕がここにいてあげるからもう少し横になって休んでいれば落ち着いてくるよ」

 そう言って美穂の肩に手を掛けゆっくりとベッドに寝かせると、布団を掛け、自分は机の椅子に腰を掛けた。しばらくしてベッドから小さな寝息が聞こえてきたので、部屋の電気を消し代わりにデスクライトを灯した。

 


 

 


第五章 「これで解決ですか?」 2 完





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